第8回英語スピーチ・コンテストの審査を終えて

審査委員長・東洋英和女学院大学 国際社会学部教授 竹下裕子

  暑かった2010年の夏の暑さがたっぷりと残る9月12日、第8回かながわ小・中学生英語スピーチコンテストが開催されました。この数年間、回を重ねるごとに、ますますレベルが上がっていることを確信しながら、審査にあたってきました。実際、どのセクションにおいても、会場いっぱいに響き渡るすばらしいスピーチに、いったいどのように甲乙をつけようかと、審査員一同、嬉しい悩みを感じました。受賞した皆さんはもちろんですが、惜しくも入賞できなかった皆さんにも、高いステージで堂々とご自分を表現することができたことに対して、「おめでとう!」と申し上げたいと思います。
  
 小学校低学年の部、小さなスピーカーたちが次々とステージに登場し、元気いっぱいに “The Three Little Pigs” の一節を披露してくれました。子ブタとオオカミの一人二役、いえ、四役にも、なかなかの工夫がありました。高学年の部の “The Jungle Book” では、すぐ近くに雷が落ちるすさまじさがよく表現されていましたし、モーグリーはいったい、人間の世界でうまく生きていかれるのだろうか、という期待と不安を、聴衆の誰もが共感したことでしょう。
  
 中学生の部では、オリジナルのスピーチが披露されました。多感で将来性に富む中学生のこと、多くのスピーカーが将来の夢や目標を語ってくれました。英語の先生や小学校の先生になりたい、世界の貧困問題に取り組みたい、剣道を一例として日本文化を世界に伝えたい、日本文化を伝えることを英語学習の意義と考えたい、共通の目的をもって差異を克服したい。。。早起きの勧め、睡眠の大切さ、そして環境問題を論じた人もいました。トピックは多岐にわたりましたが、どのスピーチにも大切な主張と真剣な思いがこめられていました。構想を練る段階、原稿を書く段階、そしてスピーチを練習して本番に備えるところまで、一生懸命に積み重ねてきた結果を、どのスピーカーも見事に披露する姿は頼もしい限りでした。
 
 何種類かの統計がありますが、概して、世界の人口の3分の1ほどが、何らかの手段・目的や方法で英語を使っていると言われています。もはや、ネイティブスピーカーだけの言語ではなく、世界のさまざまなノン・ネイティブスピーカーの言語でもある英語を使って、私たちは世界のさまざまな社会的、言語的、文化的背景をもった人々とコミュニケーションを図ることができます。21世紀に活躍しようとしている若い人たちが、教養ある日本人として、日本のことや世界のことを、さまざまな人々と語り合ってほしいと願っています。日本語への翻訳を待つまでもなく、英語で多くのことを吸収してください。日本語では伝えることのできない多くのことを、英語で伝えてください。今日、ステージで皆さんが投げかけたことばは、会場に響き渡りました。いつの日か、皆さんのことばが、客席よりも遠く、ホールの天井よりも高く、世界の人々に届くよう、心より応援したいと思っています。
  
 大きな拍手と温かいまなざしで出場者を見守ってくださったご家族の方々、先生方、そして友人たちがいたことも忘れられませんね。小・中学生のスピーカーたちを支えてくださっている保護者の方々にも、スピーカーたちに対すると同じくらい、心よりお祝いを申し上げたいと思います。そして、1年後、さらに成長した子どもたちが、再びステージの上から、遠くに向けてことばを投げてくれることを楽しみにしています。

 

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